平安時代の貴族たちは、中国陶磁器を「ちゃわん」と総称したそうです。 茶器として中国に登場した茶碗。唐代の青磁、白磁にはじまり、宋代には曜変、油滴の名で知られる天目茶碗等、平安から鎌倉・室町時代の日本に、一大唐物ブームを巻き起こした主役は「茶碗であった」と言っても、過言ではないでしょう。この特集では、茶器としての茶碗に留まらず、明・清朝時代、皇帝が最高レベルの技術で作らせた琺瑯碗や、吉祥円満・五穀豊穣を願った庶民の飯茶碗まで、様々な音色の茶碗にスポットをあててみたいと思います。